第9章 さよなら五条先生
斜め後ろを見ると、刃渡り10センチはあるであろうサバイバルナイフを、田丸が五条先生の背中に向けて振りかざそうとしていた。
――危ないっ
そう思った私は反射的に五条先生と田丸の間に入って手を広げた。
今、五条先生は反転術式が使えない。病院にも行けない。大怪我でもしたら――死んじゃったら呪術廻戦は大問題だ。
私が彼を守らなきゃ。その一心で。
私はめいいっぱい手を広げた。もしナイフが来たら死んでも体で受け止めて彼を守ろうと思った。
ぎゅっと目を瞑り、痛みを想定して体に力を入れる。