第9章 さよなら五条先生
一瞬にして目の前にいた大男が吹っ飛ぶ。
1歩も動けないままみぞおちに拳を入れられたようで、ぐほって胃ごと吐き出すんじゃないかってほどにむせ返り、顔を歪めてうずくまった。
それを五条先生がポーンっとサッカーボールみたいに蹴り上げて、30メートルくらい先に男が転がる。
「次……」
「ぶっ殺してやるー!!」
威勢よく雄叫びを上げて五条先生に殴りかかった3人が、あっという間に地面に倒れた。何が起きたのかわからないくらい一瞬だった。
「雑魚じゃん」
「てめぇっー」
「君たちみたいなチンピラがいくら束になっても僕の足元にも及ばないよ」
私は目の前で起こったことが信じられなかった。こんなに強いなんて思わなかった。