第3章 下着
それにしてもこの場所はとっても冷える。パジャマの上衣を脱ぐとぶるっと体が震えた。
いつもなら暖房のついた部屋で着替えるんだけど、その場所には五条先生がいるから洗面室で着替えている。お風呂もあって脱衣所にもなっている場所だ。
腕には鳥肌が立ち、その粟だった粒を指でなぞるとざらっとしていて更に寒気が増した気がした。早く暖かいヒートテックを身に付けようと、ナイトブラを外して通常のブラを手にする。
肩紐をかけ胸をカップの中に収め、ホックを止めようと背に腕を回した。
その時だ。カチャっと洗面室のドアが開く音がした。
ドアを開ける人物は――もちろん一人しかいない。瞬時すぎて、待ってっていう言葉を出す余裕などなかった。
入ってきた190センチの大男と思いっきり視線がぶつかる。
「きゃっ!」
声を上げたのとほぼ同時に背中のホックがひっかかり、慌てて胸元を両腕で覆う。同居ってこういう事が起きるのか!
下着姿の私と五条先生のまさかの鉢合わせ。