第9章 さよなら五条先生
でも渋谷デートしてる途中あたりから、なんか私のことずっと見てるような、逃さないような感じがする。
五条先生がなぜか私に興味や関心を抱いている。
残念なことにこの五条先生の追っかけ行動が嫌ってわけではなくて、本音を言えばちょっぴり嬉しくて、私も私でイカれてるなぁと思うのだけど。
それはさておき、質問攻めには正直とても困っている。私は自分の事を質問されるのがすごく苦手で、特に過去のことはほとんど答えられないのだ。
次々と浴びせられる質問を打ち切りたくて、わざとらしくスマホをテーブルの上に置き、SNSアプリを立ち上げる。
「ねぇ千愛――」
「ストップ。質問はおしまい。私今からナナミン漁りする。最近ずっと五条先生と話してるから、全くオタ活出来てないの。生きるエネルギーを吸収しないと」
五条先生はふぅーんってつまんなそうな顔をした。かと思ったらスイッチが入った電球のようにパッと明るい表情をする。