第2章 クローゼット
「は? きゃっ! なにぃー!?」
「千愛から近付いて来たんだよ。これ以上隅っこ行ったら僕、壁に激突じゃん? ダブルベッドでどんだけ転がんの」
「すみません。いや、でも、この体勢はだめでしょ」
恋人みたいに五条先生の腕の中に包まれている。綺麗な空色の瞳をキラキラさせてこっちを見てる。やばすぎでしょ。
「あの、私、寝相がひどいので次から無下限はって寝てください」
「それがねぇ、」
「ん?」
「呪力が感じられないんだよね。まだ獄門疆の中にいるみたいに」
「なんですと?」
朝、目覚めて分かった事は、五条先生は普通の人と変わらない状態でここに来たと言う事だった。
呪力が使えない=チートオブチートでも呪術師でもなく、六眼はブルーカラコンと変わらないただの青い瞳。着替え一枚持ってないというパパ黒もビックリの無一文ヒモ状態で、五条先生は私の部屋にやって来た。