第7章 急接近
ふと見ると私の手のすぐ側に五条先生の手があった。
少し呼吸を整えて、緊張を孕みながらも、そうっと指先でその手に触れて重ねてみる。
五条先生は私が手を重ねた事に少しだけ驚いた風だった。不意打ちくらったような顔してる。
「ごめん驚かせた? ほぼ無下限出しっぱなしってことは、こんな風に手に触れられることってないのかな」
「まぁあまりね。でも特別な子には解いてるよ」
「特別……あー、そういうあれ」
「いい感じになったときなんかにね」
「やーらしっ」
そう言いながらも気にせず私は手を置いて、それからベッドの上で手を繋いだ。
少しだけ体を五条先生の方に寄せた。もう少しちゃんと繋ぎたかったから。