第7章 急接近
「しりとりかな。それなら先生が眠くなるまでしてあげる」
「フッ、僕、負けず嫌いだよ」
「残念でした。私もしりとりは得意中の得意」
「だったら眠るどころか完徹でしょ」
横たわりながら顔を見合わせてふふって笑い合う。
静かになると彼が再び口を開いた。
「僕はさ、ひょっとしたら原作者の意図でこっちの世界に飛ばされたのかもしれない。何かここでなすべき事があんのかも」
「こっちの世界でなすべき事、か」
そんな風に考えた事はなかった。きっと五条先生は明日から、ネットでそのあたりを調べてみるのだろう。