第7章 急接近
私の上に乗る五条先生の重みを感じて、近くを見るとすぐそこに端正な顔がある。
その距離は数センチ程度だ。鼻先が触れそうなほどに近い!……近すぎる!
「なに。どういうこと?」
「僕とキスしてみる?」
「え?」
あまりに急な展開に頭が追いつかない。これは口説いてるの? どうして肩を貸す話からキスに変わったの? マイペースすぎてわからない。
髪を優しく撫でられて、指先が耳に触れるとゾクッとする。
「千愛とキスしたら全ての謎が一気に解決するような気もするんだよね」
「何言ってんの。変なウイルスにでも感染した? そんなわけないじゃん。それに私にそんなこと言うなんておかしい」
「なんで?」
「恋愛はしないんでしょ」
「しなくてもキス出来るじゃん?」
「ぁ゛あん?」