第7章 急接近
どんなに高い山に登って手を伸ばしても、空に届くことはないように、彼の空色の瞳に映る核に触れることなんて出来ないだろう。
私が今、五条先生に何か出来ることがあるとしたら……。
「……先生」
「うん?」
「いいよ寄りかかっても」
自分の肩をトントンと叩いた。重くなった心を少しでも軽くできるのなら、最強だって羽を休めてもいいじゃないか。
いつも守る側なんだから、たまには非術師に守られたっていいじゃないか。
五条先生は、私の小さな肩を見てそれからふっと笑って私を見た。
「千愛みたいな子、初めてだよ」
「なんか変な事言った?」
「いや、意表をつかれたって感じ」