第7章 急接近
それから私は出かけるのをやめて、ベッドの縁に五条先生と並んで座った。
先生がコミックの続きに目を通し始めたから、そっと横でそれを見守る。
時々先生はものすごい怖い顔をしてたけど、途中からは「悠仁ダメダメ。脇腹に隙が出来てる」とか「秤、ひっさしぶりぃ。相変わらずザラついてるじゃない」とか「禪院家潰れちゃったんだね」って本誌を目にした時と同様、お喋りを始めた。
きっと五条先生はこういうやり方で、心を馴らしているのだろう。
そうして最新巻まで全て読み終えると少し頭の中を整理するような時間があり、亡き術師を弔っているのだろうと思われる時間があった。
何となくその顔は見られたくないだろうと思って、それとなくトイレに立ったりした。