第7章 急接近
私は思った。私がここにいたら五条先生は感情を吐き出せないんじゃないかって。
いくら五条悟でもナナミンや夜蛾先生が亡くなったのを知って、ショックを受けないわけがない。
夜蛾先生は五条悟の数少ない理解者で、七海建人は悠仁を任せるほどに信頼を置いていた後輩だ。
――五条先生をひとりにしてあげなきゃ
そう強く思った。思い浮かんだのは、呪術廻戦0の映画の中のワンシーンだ。
教室でひとり椅子に座って、足を机にかけて、百鬼夜行の宣戦布告に来た夏油との過去を思い返していた。
誰もいないたったひとりの時間と空間。あの時五条先生は、自分の感情と向き合っていた……。