第7章 急接近
私はクローゼットの収納ボックスの中から、五条先生に見せていなかった呪術廻戦コミックス12巻以降と公式ファンブックを取り出し、それらを五条先生の足元に積み上げた。
もう隠しきれないと今日の百鬼夜行の街頭ビジョンを見て思った。
あんな風に五条先生の目に入ってしまうくらいなら、こちらから真実を告げたほうがいい。
「実は今まで隠してた。とても見せられない内容だったから。嘘ついててごめん」
「あぁ……だと思ったよ。こんだけ僕らの事が好きなのに全巻持ってないわけないからね」
「だよね」
五条先生もなんとなく察してはいたみたいだ。私が知らせたくない事実を懸命に隠していたことを。
「ほんとにごめん。全てを知ったら絶望してしまいそうで」
「千愛のことだから僕を心配してのことなんでしょ。ありがとね」
五条先生はそれほど気に留める様子もなく、スマホにWi-Fiのパスワードを入れネットに繋ぐと「先にこっち読むね」と言って呪術廻戦12巻を読み始めた。