第7章 急接近
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お風呂から上がった後は、マグマみたいに噴き上げていた熱はすうっと冷めて、いつも通りの私になった。
それは五条先生も同じみたいだった。夕食を済ませ、後片付けをした後、五条先生に声をかけられる。
「そろそろネット繋ぎたいんだよね」
「……そっか……そう、だよね」
彼がこの世界に来て間もなく三週間だ。ネットを使わずに過ごすのは限界だと私も感じていた。ずっと言い出そうと思って言えずにいた事だ。
先生は渋谷デートの途中で何かに気付いていた。調べようとしているのはきっとその事に違いない。
「私ももうネットを使うべきだと思っていたところ」
「そう。んじゃWi-Fiのパスワード入れるから教えて」
「その前にひとついいかな。謝らなくちゃいけないことがある」