第2章 クローゼット
アイスを食べ終えるのを見計らって、私は思い切って、この世界のことを話してみる事にした。ここは、五条先生の住んでる世界とは異なる次元で、五条先生は別の世界から来たのだと。
五条悟は二次元の世界に存在しているっていう事はいずれネットを介して知ることになるだろう。それなら混乱する前に、あらかじめ頭にいれておいた方がいい。
「五条先生、ちょっといいですか?」
「なに?」
「とっても大事な話なんだけど」
「ん? 好きになったとかはやめてね。同居しづらいから」
「なんでやねん!」
秒でツッコミしてしまった。出鼻からくじかれてしまったじゃないか。
なんだろうなこの人。初対面なのに初対面な気がしない。アニメや原作を見すぎてるからかも。
五条先生はニッコリ微笑んでるけど冗談に付き合ってる場合ではない。事実をきちんと把握してもらわなくてはいけないのだ。
「真剣に聞いてください。告白じゃあないから」
「わかってるよ、何?」
「わかってるんかい」
二度目のツッコミいれちゃった。さっきより速かったかも。コホンと大きめの咳払いをいれ、自分を落ち着ける。五条先生もお持ちかねのようだ。
「本題言って」
「はい」
私は呪術廻戦の事について慎重に丁寧に説明した。そんな話をしたら脳内が大混乱を起こして尋常じゃいられなくなるかと思ったけど、五条先生は意外にも冷静で「なるほどね」って言う。