第2章 クローゼット
しばらく五条先生(多分本物)は考えていたけど、どうやらスマホで連絡しても、全く知人や同僚に繋がらない状態に気付いたようだ。ひどく真剣な面持ちになった。
「悪い、なるべく早く解決する」
「はい……」
「君、名前はなんて言うの?」
「神坂千愛です」
「千愛、よろしくね」
いきなり呼び捨てか……。けどそれもまた五条悟っぽかった。少しずつこれはリアルなんだと、本当に呪術廻戦の世界からここに来たんだと実感してくる。
「お腹すいてません? 何か食べます?」
五条家のお坊ちゃんはこんなもの食べないだろうなぁと思ったけど冷凍チャーハンがあったからチンして出す。
体が温まるかなと思いインスタントだけどわかめスープも添えた。五条先生がそれらを口に運ぶ。
「いきなり押しかけた上にご飯とか悪いね。君、僕の周りにはいないタイプのいい子だよ」
「普通ですよ。五条先生の周りは多分……特殊だから。それより、お口に合わないですよね。食べてるもの違いすぎて」
「や、うまいよ普通に」
「そう、意外と庶民派なんだ。あ、アイスも食べます? ダッツじゃなくてスーパーカップだけど。甘いの好きですよね?」
「僕のことよく知ってるね」
「まぁ」
そんなの呪術廻戦好きならみんな知ってる。五条先生が甘党なのは公式設定だ。ネットで五条悟を検索すれば容易に出てくる情報。