第7章 急接近
五条先生がアイマスクを首まで降ろす。私は数センチ先にいるタイルに張り付いた侵入者を指し示した。
そいつは五条先生と私の丁度、中間くらいの位置にいる。指してるだけで指先が震える。このタイプのヌメヌメ系はいっちばん苦手だ。
その正体は……ナメクジ!
浴室の壁にナメクジが這っていた。タイルの溝にピタッと入り込んでいる。
先生が浴室に入った時にはまだいなかったのか、それとも気付かなかったのかわからないけれど、こいつはいつも何の気配もなしに突然現れる。
小指の第二関節くらいまであってデカい! とにかく気持ち悪くて一瞬で全身に鳥肌が立った。