第2章 クローゼット
今、世の中では呪術廻戦の映画が公開されていて、アニメも再放送されていて、五条先生は果てしない人気キャラだ。ポーンと放り出すわけにはいかない。
どうしよう……。
悩んだ挙句、警察には通報せず、彼の話を信じることにした。もし五条先生が二次元に戻れるとしたらきっとこの部屋のクローゼットからだ。
彼をジャンプの世界に戻さなきゃ!
「五条先生、ボロ狭アパートですけど、よかったらここにしばらく滞在して解決策を考えませんか? ふたつ家を借りれるほどお金がないので私と同居ってことになりますけど」
「え? 見知らぬ男にそんなこと言っちゃっていいの? 何されても知らないよー。僕は紳士だからしないけどね」
「私はあなたの事、見知らぬわけではないので。それに、獄門疆と通じたのがこの部屋なら、お仲間のところに戻れるのはきっとこの部屋からかと」