第7章 急接近
五条先生は多分、私が風邪をひかないように普通に心配してくれている。変なこと考えないで温まろうと、かけ湯をして体をささっと洗ってバスタブに足をつけた。
決して大きなバスタブとは言えない。五条先生の体は大きいし、筋肉が適度についているからそれに触れないように、そうっと五条先生の足の間のスペースに膝を抱えるようにして腰を落とす。
ゆっくりと身を沈めたけれど、それでも二人分の体積でお湯がざぶっと浴槽から流れ出した。多めにお湯をはりすぎていたかもしれない。
だけど……たっぷりのお湯は……あったかくて生き返るー!
血行が良くなったのかカチコチに固まっていた体の緊張が少しほぐれた。はぁーと天井に向かって息を吐く。
そんな私にアイマスクした五条先生がふっと笑った。