第7章 急接近
ドキっと心臓が音を立てた。ドクッドクッと拍動が鳴り止まない。
自分の体を見て、余分なお肉付いていないかな、なんて事も急に気になり出したけど、それより何より寒くて早く温まりたい。
一歩足を前に踏み出した。
「今から入るから絶対見ないでね」
「目隠ししてるから大丈夫」
私は緊張しながら「失礼します」って浴室の扉を開けた。湯煙がもわっと立ち込める。
ちゃぷって音がバスタブから聞こえた。五条先生が浴槽のふちに腕を掛けた音だ。
「僕見えないからさ、空いてるスペースにうまく浸かって」
「あ、うん」
早く扉を閉めないと湯気が逃げて浴室内も寒くなってしまう。引き返すという選択肢は断ち、浴室の扉を閉めた。