第7章 急接近
二人で洗面室に入り、五条先生から少し離れて背中合わせに立った。
奥がお風呂場になっている。私の後ろでカチャカチャっとベルトが外される音が聞こえて、ダイナミックにバサッと服を脱いだ気配がした。
「んじゃ先行くね」
「……どうぞ」
背中を向けたまま返事をすると、浴室の扉がガシャッと開閉する音がして、シャワーのサーッという水音が響いてきた。
恐る恐る体をそちらに向けると、モザイク状になった五条先生の裸体がすりガラスの向こうに見える。
なにこれ、や、やらしい。
いったん落ち着こう。胸に手を当てて呼吸を整えた。
やっぱり一緒に入るのよそうかなと思った。五条先生とは仲良しだけど恋人じゃない。仲良しだからってお風呂に一緒に入る男女がどこにいる?
そんな事を思っていると、もう一度私の口からくしゃんと大きなくしゃみが飛び出した。