第7章 急接近
基本彼は、マイペースだけど楽しい人で、肝心な時には優しい。
からかってくるけど自然体でいれるし、メンタルも肉体も強くて頼れる人。かと思いきや、あーんパクっがとっても可愛い。
暗く沈みがちな時も明るい光を与えてくれて、嬉しいことも厳しいことも言ってくれるし、時々、色気にくらっとくる。彼の言葉や行動に突然胸がきゅうってなる。
あれ? これって……。
その先は考えないことにした。
「持つよ」と言われ、お団子の入った袋を五条先生に手渡した時、指先が彼の手にわずかに触れた。先生がちらっとこちらに目を向ける。
「手、冷えてんね」
「あぁうん。雨で濡れたから。ジョーは冷えてない?」
「僕は大丈夫」
そのまま彼の手が、冷えた私の指先をそっと覆った。指同士が重なって温かみを感じる。そこから体温が上がっていく感じがする。