第6章 デートの練習
メイン通りから少し外れた児童公園まで五条先生を引っ張ってそこで立ち止まる。遊具が一部使用禁止になっていたからか人影はあまりなかった。
出来ればこの話題は素通りしたかったけど、五条先生がそこから逃げるわけはなく、単刀直入に聞いてきた。
「さっきのってさ、百鬼夜行だよね。それが映画になってんの?」
「……うん」
「千愛は見たの? 映画」
「……私はファンだから。一応見たけど」
「どうだった?」
普通に映画の感想を聞くみたいに訊ねてくる。
「壮大なストーリーでした」
「他には?」
「五条先生は先生っぽかった。ナナミンが強かった」
「なにそれ、ふふ。他は?」
「乙骨くんが里香ちゃんを解呪した時は泣きました」
「あぁ、うん。他は?」
「友情とか成長とか生き方とかそういったものがテーマで……そこも心にグッときました」
「僕と傑のこと?」
「……」