第6章 デートの練習
「心配しなくてもまだ居るよ、君のところに」
「え?」
私の心の声が聞こえたんじゃないかと思うくらい、五条先生が真っ直ぐに言った。
一刻も早く向こうの世界に戻りたいはずなのに、どうして……。
「負けたの僕だし男としてきっちり約束は守らないとね」
「あぁ、うん」
五条先生はさっき本気出して負けたって言うけど本当かな。音ゲーもマリカーも圧巻のゲーム感覚と運動神経だった。
五感の能力が細胞レベルからして違う。わざと負けたりしてないよね?
もしそうだとしたら何のために?
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残りのデート予算はクレーンゲームにつぎ込んだ。
「欲しいのどれ? 取ってあげる」と私に聞いておきながら、狙ってるのは五条悟マスコットばかりで、五条先生が五条悟を取ろうとしている絵面がなんとも面白い。