第6章 デートの練習
”YOU WIN 1位”
キター! 五条悟に勝てた。めっちゃ嬉しい。泣きそうだ。
「まさか手、抜いた?」
「いや本気」
「やったぁ! じゃ賭けはジョーの負けだから約束ね」
「あぁ、わかったよ」
「一週間だよ」
「わかってるよ。一週間ね」
「うん一週間だから……一週間ちゃんと……やってね」
「そんな顔しなくてもちゃんとやるよ」
「うん。一週間は……まだ」
――この世界に居てね。私の側に居てね。
浮かんできた言葉をぐっと深く沈めた。
それは決して言ってはいけない。思ってもいけない。
五条先生と過ごす時間があまりにも楽しくて、もっといたいなんて思って賭けの条件に無意識に一週間なんてつけてしまっていた。
こんなの一緒にいればいるほど苦しくなるだけなのに。