第6章 デートの練習
「ククッ、ほんとにやりこんでたの? まさかずっと24年間、ドラフトだと思ってた?」
「勝負するのしないの?」
「いいよ、やろうか」
こうなったら実力行使だ。五条先生はまだクスクス笑ってるけど、とりあえず運転席に座った。
「笑ってられるのも今のうち。私のドラフトにビビんないでよ」
「はいはい、楽しみにしてるね」
ゲームスタート。気合を入れてカートを滑らせる。久しぶりにハンドル切ったけど腕は鈍っていなかった。
絶妙なドライブテクで私がリードしてる。ぶっちぎりだ。
五条悟大したことないかも〜。
だけどゴールすると結果は2位。しかも周回遅れ。
嘘でしょ。いつの間に抜かれた?
「はーい僕の勝ちー」
「もう一回!」
マリオカートの順番待ちをしている人はいないようだったから再度勝負を挑む。