第5章 ★ベッドの上のお手伝い
なんだかんだとおしゃべりしていて、朝の時間があっという間に流れていく。いつもより部屋に朝日が差し込んできているのか部屋全体が明るく見える。たくさんいろんな話題が飛び交う。
「あ、ナナミンのタオル使わないで! それは永久保存版なの、ってもう遅いか」
「うそ、お砂糖もうなくなったの? どんだけ珈琲にいれたの?」
「あ、私の洗濯物は畳まなくていいから! 触らないでぇー」
慌ただしくて、狼狽えてばかりだけど、とっても賑やかだ。テレビから時報が流れて、もうそんな時間になっていたのだと驚く。
このままだとまた遅刻だ。慌ててコートを羽織り、玄関へと向かった。五条先生が見送りに付いてくる。
「今日は少し僕も出かけてくるよ。このアパートの立地や歴史が呪術に関連ないか、調べたいからね」
「はい。私が買った変装グッズ、身に付けること忘れないで」
「わかってるよ」
手持ちの現金が底をついていたから、呪術用の貯金箱を取って、500円玉を数枚渡す。ほんとに小学生のお小遣いみたいだ。
「申し訳ないけど、給料日までこの額でなんとかして。もう気付いてると思うけど、私、超貧乏なんだ」
「女の子のところにいつまでも厄介になるなんて、かっこ悪すぎだからさ。さっさと、おいとましないとね」
「うん。五条先生なら大丈夫。次は私も寝ずに協力するから」