第5章 ★ベッドの上のお手伝い
「心配しなくても、現実に僕が千愛に手を出す事はないから安心して」
「当然です! そんなの当たり前」
言い切ってベッドから勢いよく降りた。着替えを取りにクローゼットへと向かう。
だけど、二、三歩、足を進めて、私はピタリと立ち止まった。ゆっくり振り返り、五条先生の目を見つめる。
「絶対に、ない?」
「ないね。約束するよ」
即答を受けて、瞬間的に口元だけの笑みを作った。「そぅ」と一言残して、また前に向き直る。夢の中の五条先生とは違う何の問題もないこれ以上ない正しい答えだ。
なのに、心の中はほんの少しだけもやっとする。
なんでこんな事、聞いたんだろ。どんな答えが欲しかったんだろ。自分でもよくわからない……。