第5章 ★ベッドの上のお手伝い
「千愛が協力してくれないとなると手詰まり。さすがの僕もお手上げだよ」
後ろからため息が聞こえる。そのまま沈黙が続き、仕方ないから、もう一度、五条先生の方に顔を向けた。同居してる以上逃げられないし。
「君にベッドの上で寝てもらって、あの晩と同じ条件を作りたかったんだよね。獄門疆が開門する時間との関係性も調査したかった」
「あ」
思い出してきた。
五条先生は、獄門疆の謎を解こうと、クローゼットから五条先生がやってきた時と同じ時間、同じように過ごしてほしいって私に頼んだ。
一日に一度その時間にトリガーが働いて、獄門疆からこちらの世界に開通するのかもしれないからって。
私の行動も関係してるかもしれないからって、私はベッドに横になったのだ。だけど、疲れがピークに達していて、眠気が半端なくて、寝落ちしていた。
「クローゼットから音がした時、君はどうしてたの?」
そう五条先生が訊ねた時には、私はもう、すぅすぅ寝息を立てていたらしい。その後はごろごろと激しくベッドの上を転がって、今に至ったってわけ。