第5章 ★ベッドの上のお手伝い
よく見ると、確かに前回と同じ位置だ。五条先生は壁際のきわのきわに体を追いやられた状態になっている。
「前より激しくローリングしてたけど何か夢でも見た?」
「夢?」
夢……そっか。あれは夢だったんだ。そうだ。頭がはっきりしてきて、現実が見えて来た。
あまりに感覚がリアルで、境目がわからなくなってたけど、五条先生とあんな事あるわけがない。腰もだるくないし割れ目もヒリヒリしていない。
ナナミンとも直に会話出来るわけがない。間違いない、夢だ。お風呂上がりに見た先生の裸体のせいで変な妄想に取り憑かれていたんだろう。
「そうそう」
五条先生が何か思い出したように口を開く。
「昨日は無理させちゃってごめんね」
「はい?」
「手伝ってって言った件だよ」
「手伝い……ってそれ夢じゃないの?」
「夢じゃないよ。ベッドの上で手伝ってもらったじゃん。仕事で疲れてたのに遅くまで付き合わせてさー。僕も無神経だったって反省してるよ。そりゃあ眠たくもなる」
「え? え? ええぇぇー!!!」
また頭の中が混乱してきた。激しく動いて重なり合う二人の淫行シーンが浮かび上がる。
「いやっ、もうしないから! 二度とお手伝いはしない」
「なんで? 毎晩お願いしたいんだけどね、僕は」
「むぅううぅりぃいい!」
「なんでそうなっちゃたわけ!」
身を起こして、私は完全に先生に背を向けた。