第10章 #10 死闘の果て
森を抜け少し離れた場所で兵士達は負傷者や死亡者の確認作業と補給作業をしていた。
リヴァイも合流し、班員の遺体を兵士達に任せるとエルヴィンの元へ向かう。
「エルヴィン」
「……どうだった」
「俺の班は全滅だ。リリアは……見つからなかった」
「……そうか」
エルヴィンは真っ直ぐ巨大樹の森を見つめていた。
リリアと別れる前のあの胸騒ぎはこの事だったのだろう。
リリアが調査兵団に入ったあの時から覚悟はしていた。
別れは来る、と。
だがこんなにも呆気なく別れは訪れるものなのかと、心に穴が空いたようで今は何も考えられなかった。