第89章 #89 新たな命
その日、リヴァイは自分の家にも関わらず部屋から追い出されていた。
左腕にはガビ、右腕にはファルコが何故かくっついている。
その隣にはアルミンとコニー、ジャンがおり、後ろをオニャンコポンがソワソワと歩き回っていた。
実は今、リリアが産気付いている。
朝の時点で違和感があったようなのだが、気にせずリヴァイに伝えなかった。
今日はリヴァイはガビとファルコとで足の具合を見てもらうため少し遠い病院へ向かう日だった。
リヴァイを送り出し暫くして破水してしまい一人で慌てているところをタイミングよくイェレナが訪問したらしい。
出産の予定は2週間先だった。
そのため準備をあまりしておらず、予定日はライナーの母親に付いてもらう予定だったのだが、ライナーの母親は今日に限って留守だった。
オニャンコポンをどうにか捕まえ、病院に向かっていたリヴァイを連れ戻したものの、焦ったリヴァイが部屋で混乱したためイェレナが部屋からリヴァイを閉め出し今に至る。
その後アルミン達が訪問し、リリアの出産をリヴァイと共に待っていた。
部屋からリリアの苦しそうな声が聞こえる度にガビとファルコがリヴァイの腕にしがみ付く。
「オイ……痛え…」
「だってぇ…兵長だって震えてるじゃん」
「そりゃあお前…」
するとソッとドアが開きイェレナが顔を覗かせた。