第83章 #83 激戦
上空からジークを探すリリアとリヴァイ。
一体どこにいるのだろうか。
「私、この対巨人ライフルで援護できるから」
「…それで死ぬ巨人はここにいない」
リリアはガビの頭を撫でた。
少し怖いのだろうか、不安げな顔をしてガビはリリアの手を握った。
リヴァイは眉をひそめてジークを探す。
なんとしても仕留めなければならない。
(……ジークはどこだ。…どこにいる。見つけてもこのザマじゃ足手まといか…クソ……。ヤツの命令をしくじったことは無かった…一度も。なのに……ヤツの最後の命令だけがなぜ…)
リヴァイの脳裏にエルヴィンの姿が浮かぶ。
そしてゆっくりとリリアを見つめた。
(俺達の役目は…あそこで終わりだったのかもしれない。ガキ共を海に届ける、そこまでの役目だったとしたら……なぁ…お前達が捧げた心臓は他の心臓を踏み潰すためにあったのか?)
いや、違うそうではない。
リヴァイ達が夢見た世界は呆れる程おめでたい理想の世界だった筈だ。
そうでなければ、彼らの心臓と見合わない。
リヴァイはブレード持った手に力を込めた。
するとリリアがその手に自分の手を重ねてきた。
驚いたリヴァイがリリアを見る。
「リヴァイ、大丈夫?」
「………大丈夫だ」
俺は……リリアから大事な人を奪った
コイツが泣き喚くのも分かっていた、心を閉ざすのも分かっていた
もう…
二度と俺を見てくれない覚悟もした
パラディ島にとっても
お前を生かさなかった事はかなりの損害になるだろうと分かっていた
"あの時"必要なのは
確かにエルヴィンだった
だが……
……エルヴィン俺は
お前を選ばなかったことに…
悔いはない
お前らと同じ目をした
あいつに未来を託したことに………