第10章 #10 死闘の果て
リリアは急ぎエレン達の元へ向かっていた。
どこへ待機しているかはおよそ予測は出来ている。
今頃、リヴァイやミケが女型の中身を捕獲しているだろうか、そんな事を思いながら進んでいたその時だった。
地面や空気を震わせるほどの咆哮が、巨大樹の森に響き渡った。
リリアは足を止め耳を塞ぐ。
女型の巨人の断末魔だろうか、身体中に鳥肌が立った。
嫌な予感がする。
リリアは辺りを見渡しながら再び移動を始めた。
早く、早く合流しなくては……
そしてその恐ろしい程の咆哮の後、撤退しろという信煙弾が打ち上げられた。
森の外にいた兵士達がそれを確認し、胸を撫で下ろす。
ようやく帰れる、と。
しかし今回の作戦の理解は殆どの者達が出来なかった。
何故エルヴィンがここに来たのか、森の中で何が行われているのか。