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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第81章 #81 調査兵団として



飛行船の整備が終わると聞き、リリアは急ぎ船室を出た。
皆に声をかけ、2人分の立体機動装置を持ちリヴァイのいる船室に戻る。

「リヴァイ、もう少しで整備が終わるって。準備しよう」
「あぁ」

リリアはまず自分に立体機動装置を付けると、次にリヴァイを立ち上がらせ彼の体にも装備を付け始めた。
外れないよう、ギュッと力を込める。
そんなリリアを見つめながらリヴァイが口を開いた。

「ハンジになんて言われた?」
「ん?別に」

言いたくない、リヴァイはすぐに察しそれ以上は聞かなかった。
それにリリアの表情が暗いわけではない、今は特に聞かなくても問題はないと踏んだ。

「リヴァイ一人で歩ける?ちょっと私イェレナの所に行ってくる」
「お前な……」
「お願い。すぐに行くから」

分かった、とリヴァイが返事をするとリリアはニコリと笑いその場を離れた。
真っ直ぐにイェレナの部屋に向かいドアを叩く。
誰か分からないイェレナが返事をすると、入ってきたリリアの姿に驚き目を見開いた。

「また……何ですか……」
「イェレナはここでキヨミさんと行くんでしょ?荷物の整理は大丈夫?」
「荷物なんてあるわけないでしょう。何か用なら早く言ってください。貴女だって時間がないでしょう」

うん、とリリアは入り口に立ったまま頷いた。

「ここで二度と会えなくなるかもしれないから」
「何です?」
「イェレナ、生きてね」
「………」
「また会えるといいね!!」

笑顔で手を振りリリアは船室を後にした。
この一言を言うためだけに戻ってきたというのか、イェレナは深く息を吐いた。

「やはり私には理解出来ない。貴女のことは……」



ただ一つ言えるのは
貴女はとても温かい……


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