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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第79章 #79 過去の謝罪



「さて、どうして自分勝手な行動をしたのか話してもらおうか?」
「………イェレナに……名ばかりの兵士長と言われたのが悔しかったから……まるで侮辱されたようで…悔しくて……」
「自分の強さを見せつけるために部下を殺したの?何人も、何人も、何人も?」

リリアは唇を噛んだ。

「私やリヴァイはリリアの努力を知っていると言ったよね?それじゃあダメだったの?」
「私はイェレナに認めて欲しかったの……私は…名ばかりじゃないって…ちゃんと…努力してきたんだって…」
「そうして部下を斬って確かにイェレナは君を認めたよ。…で?リリアには何が残った?自分の強さを誇示して部下を殺し、君に何が残った?達成感?満足感?確かにリリアのおかげで我々は船に乗れた。リリアの力があってこそだ。でもリリアがやった事は自分の欲を満たすためのただの虐殺だ!」

ポロポロとリリアが涙をこぼす。
確かにその通りだ。もしかしたらまだ生きれる筈だった兵士達も有無を言わさず殺してしまった。

「まぁ……私達も変わらないけどね…リリアを責める事は出来ない。殺さなきゃ殺されていた」
「ごめんなさい……」
「瀕死の状態のお前を置いていかなくちゃいけない選択を私にさせた!リリアの事を大事に思っているこの私にだ!!私は調査兵団の団長だ、一つの命と複数の命を天秤にかけないといけない時がある。それをお前は私にさせたんだ!」

ハンジがリリアの肩を掴みながら今まで見た事がないくらいの強い口調で叫んだ。
リリアはさらに涙を流す。

「ごめんなさい…ごめんなさい……ハンジ…ごめ…」
「許さないよ、絶対に許さない!!」
「うわぁぁん!!ごめんなさい…ごめんなさい!!ハンジ…ごめんなさい!!」
「いいか?!謝っても後悔しても、もう命は戻って来ない!!欲を満たすために奪った命の事、仲間を傷つけた事、それを一生背負って生きていきな!!!」
「うぅぅぅう!!」

するとギュウッと力一杯ハンジに抱きしめられた。
突然の事にリリアが目を見開く。

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