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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第78章 #78 世界で一番愛してる



懐かしい、懐かしい声がする

大好きなあの人の声が……


「リリア、起きなさい」
「ん……お兄ちゃん…?」

握った手をグッと引かれリリアは起き上がり、視界に入ったのは大好きな兄のエルヴィンだった。

「お兄ちゃん…お兄ちゃんだぁぁ!!お兄ちゃん!!!」
「リリア」

リリアはエルヴィンに力一杯抱き着いた。
ずっとずっと会いたかった、大好きな人。
もう会える事は出来ないエルヴィンに会えたという事はやはり自分は死んでしまったのだろう。

「リリア、落ち着きなさい」
「うぅぅ…」
「まずは……ここに座りなさい!」

ペシっと地面を叩き座るエルヴィン、リリアは言われた通り彼の前に正座をした。
何だか怒っている雰囲気だ。
無理もない、あれだけの無茶をして結果こうだ。

「まったく!!どうしてリリアはいつもそうやって無茶ばかり……」

そこまで言うと何故かエルヴィンは言葉を止めた。

「……いや、やめよう。戻ったらリヴァイかハンジがまた叱るな……」
「ん?」
「はぁ……二人に任せよう」

意味がわからずリリアは首を傾げた。

「あの……お兄ちゃん」

リリアはエルヴィンに向かって両手を伸ばした。
昔からのお決まりの抱きしめて欲しいの合図。エルヴィンは困ったように笑うと首を振った。

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