第77章 #77 私は強い
アズマビトが地下から飛び出し船に向かって走ると、やはり容赦なく兵士達からの攻撃が待っていた。
それを止めようとハンジとミカサ、リリアが兵士達を斬っていく。
途中ハンジはリリアを見た。
彼女は迷う事なく兵士達を斬っていく。体調は大丈夫そうだがやはり様子はいつもと違った。
「クソォ!!来るな!裏切り者!!」
「フロック!フロック!!ぎゃあああ!!」
叫び声にフロックが振り向くと、どんどんリリアが仲間を斬って近付いていた。
一人、一人着実に殺し、だんだんと自分の元へ向かってくるリリアのその表情は無く、逆に恐怖を感じる。
「くっ!!リリア兵長を先に狙え!!アイツは腕が……腕…」
フロックが目を見開く。
そう彼はリリアの左腕が復活しているのを知らない。
今まで彼らイェーガー派の前では左腕は出さなかった。
「な、何で腕があるんだよ!!クソっ!!撃て、撃て!!」
たまに擦りはしているが巧みに銃弾を避けながら斬り進んでくるリリア、どんどん兵士の数が減らされる。
104期のフロックでさえもリリアがここまで戦える兵士だと思っていなかった。
彼女の戦う姿を初めてみる者は怯えている。
「クソ!!二手に分かれろ!一方はアズマビトを狙え!!船に行かすな!!」
アズマビトを船に行かすまいと攻撃を仕掛けるが、鎧と女型がそれを食い止める。
何とかアズマビトを船に到着させたが、兵士達は今度は船を攻撃し始めた。
船が壊されてしまってはお終いだ、何としても守らなければならない。
しかしライナーとアニもすでに雷槍の攻撃によって限界がきていた。