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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第72章 #72 世界を救いに



「ガビ、少しの間でもパラディ島の人達と暮らしてみてどうだったかな?やっぱり私達は悪魔で、殺されなくちゃいけない人間だったかな」

ガビは首を振った。

「みんな優しくて温かくて……私は間違ってた……悪魔は…私だった…」
「みんな心のどこかに悪魔がいるんだろうね。勿論私の中にもいる」

リリアはガビの頬を優しく支え、視線を合わせ優しく微笑む。

「もう一回聞くね?私はあなた達と仲良くしたいな。なれるかな?」

ガビの瞳からポロポロと涙が溢れる。
これまでどれだけ彼女に酷い言葉を吐いただろう。
仲間も殺し、兄と慕う人も仕方がないといえど手にかけた。
恨まれても仕方のない事を数々してきたのにも関わらず、リリアは常に優しく接してくれようとする。

争っていてはいつまでも変わらない。
お互いが歩み寄ろうとしなければ何も変わらないのだ。


「うっうっ……なれ、ます……なれます」
「ガビ…」

ファルコが微笑んだ。

「ごめんなさい…ごめんなさい…今までたくさん酷い事言って…ごめんなさい」
「気にしてないよ」

リリアはガビをギュッと抱きしめ、そしてファルコも自分に引き寄せ、二人同時に力一杯抱きしめた。
それを見ていたアルミンとコニーも柔らかく笑い、顔を見合わせると暫く三人を見守っていた。

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