第66章 #66 見破れなかった覚悟
その音を離れた場所から聞いていたフロック率いるイェーガー派の兵士達、中にはハンジもいる。
ハンジからジークの居場所を聞き、案内させていたのだ。
「何だ?今の音は」
「落雷では?」
しかしハンジには分かっていた。
今の爆音は雷が落ちた音ではない、雷槍が爆発した音だ、と。
(雷槍だ……一体何が……)
「音の方向に何かある筈だ」
そしてフロック達は今音がした方向へ馬を向かわせた。
嫌な予感がして仕方ないハンジ、しかし今は彼らに着いて行くしかないのだ。
辺りには体が半分になってしまったジーク、そして川の近くまで飛ばされたリヴァイとリリア。
動かない血塗れの二人の体を雨が静かに打ち付けていた。