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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第63章 #63 異変



暫く時間が経過するとリリアが落ち着きを取り戻した。
ゆっくりとリヴァイを見上げると柔らかな表情をしている、怒っている雰囲気はない。


「落ち着いたか?」
「うん……ごめんね。大丈夫」
「俺の方こそすまねぇ、怒鳴っちまった」

リリアは窓から外を見た。
もう真っ暗で遅い時間だ。明日から自分達は任務がある。それにリヴァイはマーレでの戦闘で相当疲れているはず。
早く休ませなければ。

「リヴァイ、もう休まなきゃ明日がツラくなるよ。ほら、自分の部屋に戻って寝て?」

リヴァイは首を振るとリリアを優しく抱きしめ首筋に顔を埋めた。

「今日はここにいる」
「え、でも……」
「今まで離れてたんだぞ。会いたかったのは俺だけか」
「そんな事ないよ!」

リリアもリヴァイの背中に手を回しギュッと抱きしめた。

「私だって会いたかったよ。寂しかったもん」
「……そうかよ」
「じゃあさ、ここで寝ていいから一緒に横になって寝よ?ね?」

無理矢理にリヴァイを横に寝かし、自分もその隣に寝るとリヴァイの腕にしがみついた。
見上げるとリヴァイもリリアを見ており、目が合うとリリアがニッコリ笑う。
その笑顔にリヴァイの胸が何故か痛む。

「ハンジに体調の事を聞いた。あまり良くないらしいな」
「あー、風邪かな?もう治った!!」

するとリヴァイが横向きになりリリアの体を抱き寄せギュッと力を入れた。
痛いくらいの力だ。

風邪なんかじゃない、見て分かる。
約1ヶ月前の彼女の姿と比べると明らかに痩せてしまっているからだ。


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