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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第61章 #61 戦いの始まり



「ガビね。で、そっちの私の名前を何故か知ってる君が…」
「ふ…ファルコです…」
「ガビとファルコ、覚えた」

ニッコリとリリアが笑う。
そしてガビの方を見るとそっと頭を支えた。

「残念、私が何回頭ぶつけてきたと思ってるの?ガビちゃんの頭突きなんてデコピンよりも痛くないぞ?」
「はぁぁ??」
「そして今日の私は特別に機嫌が悪い」

リリアが頭を引いた。
ガビに頭突きをするつもりだろう。ガビは顔を真っ青にしてギュッと目を閉じた。
しかしリリアからの頭突きは飛んでこない。
ガビが目を開けるとハンジがリリアの頭を抱えるようにして止めていた。

「リリアやめろ。これ以上頭部にダメージ与えるな!!」

それを横で見ていたリヴァイが眉をひそめる。
あまりにハンジが必死だ。自分がいない間に何かあったのだろうか。
するとリリアはゆっくりとカビから手を離した。

「頼むから大人しくしていてね。ジャン、連れて行って」
「はい」

ジャンはガビとファルコを奥の方へと連れて行った。
リリアはエレンの方を見たが、彼は下を向いたまま動かない。
それから皆に会話はなく、飛行船は無事にパラディ島へ帰還した。



しかしここからが
戦いの始まりだった


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