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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第61章 #61 戦いの始まり



ついにパラディ島にて待機していたハンジやリリアも出発の時が来た。
新しい黒い戦闘服を身につけ、鏡に映る自分を見つめリリアは大きくため息をついた。正直これから起こる事に気が乗らない。
するとコンコンと誰かがドアを叩いた。

「はい?」
「リリア、私だよ」
「ハンジ?」

声の主はハンジだった。
今は出発で忙しい時、一体どうしたのだろうかと慌ててドアを開けた。

「やほー!髪の毛結いに来たよ!」
「えぇ?!」
「リヴァイにお願いされてたからね。出発時はリリアの髪の毛を結ってくれって!彼みたいには出来ないけど」

片腕になってからリリアの髪の毛は何かない限りリヴァイが結っている。
出発の時にはきちんと髪の毛をまとめてやってほしいとお願いしていたようだ。
リリアは再び鏡の前に移動し椅子に座ると、後ろからハンジが優しく髪を結い始めた。

「これでもリリアの髪型はチェックしてたからね。リヴァイのと近いものは出来るはず!」
「簡単でいいよ」
「ダメだよ?今日はリヴァイと久し振りの再会でしょ?可愛い髪型で会わなきゃ!」
「……会えるかな」

リリアの呟きにハンジが苦笑いをした。

「絶対に大丈夫とは言わないよ。だけどリヴァイなら死なないと思うよ。何せ彼は人類最強だからね!!」
「そうだね」
「さっ!出来た!!ほらー、いつも通り可愛いじゃないか!あとはリリアが笑ってくれたら完璧だね!」

鏡越しにハンジが笑いかけ、それを見たリリアも笑う。

「ありがとう!」
「さぁ、行こうか!!」

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