第54章 #54 楽しき時間
「エレンはどこ?」
「あのバカ……どこに…!」
「探してきます!」
慌ててミカサが部屋を飛び出した。
それに続いてアルミンやジャン、コニー、サシャもエレンを探しに部屋を出て行く。
リリアも行こうと立ち上がったが、リヴァイがそれを止めた。
「お前は行かなくていい」
「でも……」
「エレンの事は彼ら任せて、我々は明日の準備をしよう、ね?」
ハンジの言葉に頷き、リリアはゆっくり腰を下ろした。
しかし、数十分経っても数時間経っても104期のメンバーが戻ってこない。
「遅すぎない?」
「……確かに」
「クソでもしてんのか…」
「それにしても長すぎでしょ、何かあったのかな。私ちょっと探してくるよ」
リリアは立ち上がり部屋を出た。
ハンジとリヴァイは顔を見合わせ腰を上げる。リリア一人で行かせるわけにはいかない。
オニャンコポンを案内役に、4人は104期の捜索を始めた。
そしてようやく見つけた104期達、彼らは先程の市場で会った少年の移民達と仲良くなったのか酒を交わし、ベロベロに酔い潰れていた。
呆れたようにため息をついたリヴァイ、ハンジとリリアが彼らの体を揺さぶる。
「ちょっと起きなさい!!何やってるんだよ、君達は!!」
「ほら、起きて?みんな!!サシャ?吐いてるけど大丈夫?」
「ダメだこれは…みんな潰れちゃってる」
「オイ、バケツに水を汲んでこい。ぶっかける」
リヴァイの案が採用され、オニャンコポンとハンジが慌てて水を汲みにいく。
リリアは困りながらも笑っていた。
みんなの眠っている顔がとても楽しそうだったから。
しかし次の日、調査兵団全員がどん底に突き落とされる。