第51章 #51 偽物の好き
まんまと彼女の口車に乗せられ、息を吐いたリヴァイは観念したかの様にベッドに上がりリリアの隣に座った。
グイグイと服を引っ張られリリアが耳を貸してと言ってきた。
二人しかいないのだから耳打ちなどいらないのに。
「何だ」
「リヴァイ、私今日したい」
「…………何をだ」
絶対に分かっているのに言わそうとするリヴァイにリリアが頬を膨らます。
「言わなきゃ分からねぇよ。リリアは何がしてぇんだ?」
「イジワル……」
「分からねぇ」
「リヴァイに抱いてほしいな。でね?とびきり優しくしてほしい」
「俺はいつも優しいだろうが」
「えっちの時は意地悪リヴァイだ。今日は優しくて甘いのがいい」
「了解だ」
リヴァイはクツクツ笑うと優しくリリアに口付けした。
もう大丈夫だろう、自分の想いは伝わった筈だ。
例えもし本当に一族的な習性がキッカケだったとしても、今、リリアの事が好きなのは事実、そしてそれはこの先変わる事はない想いだ。
「リリア……不安にさせちまってすまねぇ」
隣で寝息を立てているリリアの前髪を撫で、布団をしっかり被せると、リヴァイはベッドから降り服を着て窓から空を見上げた。
空にはまだたくさんの星が輝いていた。