第45章 #45 すれ違い
「なるほど!リヴァイは私の顔が好みだった、と!」
「その言い方はなんか語弊があるが……笑顔がな。すげぇ可愛かった」
「うっ……そう真正面から言われると恥ずかしい。でもこんな甘えたがりで寂しがり屋でちょっと面倒くさい?」
「……いいや?エルヴィンとお前を何年見てきたと思ってるんだ?それを分かって好きになっている。俺は結構甘えられたいタイプだ。好きな奴に限るが」
リヴァイはリリアに顔を近付けると優しくキスをした。
そうだ、あの笑顔が忘れられなくて
一瞬で胸を締め付けられたのは初めてで
また見たくて、どうしても見たくて
笑顔を探る行動をずっと続けていると
いつの間にか目が離せなくなっていた
でもリリアはエルヴィンしか見ていなくて
自分の想いは届かないと確信していた
だからこの気持ちは一生隠して生きていこうと思っていた
「しかも一度諦めた女だぞ?もう離すわけねぇだろ?」
再びリヴァイが口付ける。
何度も何度も角度を変えながら徐々にその口付けは深くなっていく。
「ん…ん……リヴァイ…」
「どうした?」
「ちょっとだけ明かり…消して?」
「このままでも俺は構わねぇぞ?」
「や、やだよぉ!私が恥ずかしいよ!」
ふっと笑い、リヴァイは部屋の明かりを消しベッドの近くのランタンにだけ明かりを灯した。
部屋の壁に映る二人の影は一つに重なった。