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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第44章 #44 海へ



ついに壁外調査へ出発する時が来た。
壁の中の人類は初めてウォール・マリアの外へと出る事となる。
久し振りの壁外調査にリリアは緊張していた。
腕が無くなってから初めて外に出るのだ。他の兵士に迷惑をかけないか、それだけが心配だった。

「リリア?表情固いよ?大丈夫?」

俯いていたリリアをハンジが覗き込んだ。

「だ、だだ、大丈夫だよ!」
「すんごく緊張してるじゃん。リヴァイー?リリアめっちゃ緊張してるよ?」

物資の確認をしていたリヴァイが振り向く。

「なんだ、今まで通りでいいんだ。何を緊張する事がある」
「うぅぅ…足を引っ張らないように頑張ります」

クシャクシャと髪を撫でられ、苦笑いをしながらリリアはリヴァイを見た。
すると104期のリヴァイ班が近付いてきた。

「リリア兵長!大丈夫っすよ!!巨人が出たら俺達が守るんで!」

コニーがグッと親指を上げてニカっと笑った。
カッコつけんな、とジャンがコニーの頭を軽く叩く。

「いやでもホント、もう殆ど巨人を殲滅したとはいえ、もしもまだ巨人が現れたらリリア兵長は下がってくださいね」

ジャンの言葉に頷きつつもリリアは少し寂しげな顔をした。
何だか本当に自分は足手まといのような気分だ。
するとパンパンとハンジが手を叩く。

「はいはい!そろそろ行くよ!!リリアはこの日のために必死に訓練してきたんだ。私は心配してないよ!」
「ハンジ……」

リリアは顔を赤らめると自分の馬に飛び乗った。
自分の力を信じてくれるハンジの言葉がかなり嬉しかったらしい。
他の者達も馬に乗り整列した。



そして最初の超大型巨人襲撃から6年、調査兵団はウォール・マリア外の壁外調査を開始した。

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