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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第41章 #41 貴方の匂い



「それでね、リリアはどうする?」
「え?行くよ」
「シガンシナ区の仲間を迎えに行くと言う事はエルヴィンの遺体を回収しに行くという事だよ?もうあれから随分と日が経つ、あの時のままの状態じゃない。リリアは耐えられる?」

リヴァイが視線だけをリリアに向けた。

「……大丈夫、お兄ちゃんの事だけじゃない。そこにいる仲間を私もちゃんと迎えに行きたい」
「そうか、なら一緒に行こう。出発は5日後、リリア馬は乗れる?」
「うん、大丈夫。もう前のように乗れる」
「よし!なら話は以上だ。部下へはリヴァイが説明してあげてくれ」
「あぁ」



話が終わり、リリアとリヴァイは団長室を後にした。
リリアの元気があまりないように見える、まったく平気という訳ではない。

「リリア、大丈夫か?」
「うん、大丈夫。なんだかなぁ、嫌という気持ちじゃなくて、ようやく迎えに行けるんだなぁって安堵感もあるというか…」
「そうだな。いつまでもあんな寒い所に置いておく訳には行かねぇからな」
「うん、みんな寒がってるから急がないと!」

すると急にリリアが黙り俯いた。
リヴァイはゆっくりリリアに近付くと手を伸ばし優しく抱きしめ、リリアもリヴァイの背中に手を回した。


「やっとお兄ちゃんを迎えに行ける」
「そうだな」



それから5日後、調査兵団は衛生兵、憲兵団、駐屯兵団の応援を連れシガンシナ区へ向かった。

多くの仲間達が散ったあの場所へ。

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