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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第40章 #40 エレンの変化



それから3日後、軍医からリリアに自宅療養の許可が出た。
喜ばしい事だがリリアは困った。自宅にと言われても家族はおらず一人だ。
夜はまだ精神的に不安定になる頻度が高く、一人になるのが正直怖い。

すると、一緒に軍医の話を聞いてくれていたハンジがリリアに提案する。

「兵舎でいいじゃないか?その方がリリアも安心だろ?」
「でも……私、休職中だし…」
「構わないよ、それにその方がリヴァイも安心じゃない?」

ハンジが隣にいるリヴァイを見る。

「実家に戻っても一人だろ?むしろそっちの方が我々は心配だし、何かあった時に兵舎の方が対処しやすい。仲間もいるしリリアも寂しくないだろ?」
「うん……いいの?」
「あぁ!!一緒に帰ろう!」

リリアの表情がパッと明るくなった。


"一緒に帰ろう"


その言葉が凄く嬉しい。



病室に戻るとさっそく帰る準備を始めたリリア、嬉しそうに荷物を詰めている。
ハンジは一足先に戻ると言い兵舎に戻っていた。
リヴァイは荷物を片付けているリリアを手伝いながら口を開いた。

「なぁ」
「なぁに?」
「これは…ただの提案なんだが」
「うん?」
「療養が終わるまでは俺の部屋にいねぇか?」

目をパチパチしながらリリアがリヴァイを見る。
まさかそんな事を言われるとは思いもしなかった。

「え……」
「いや…お前まだ夜は不安定だろ?まだ急に泣き出す時もあるしな…」
「で、でもリヴァイの寝るとこが…」
「俺はベッドは使ってねぇ。好きに使え」

リリアは困ったように視線を逸らした。
その提案は凄く嬉しいのだが、これ以上リヴァイの時間を自分に使ってほしくないというのも本音だ。
あまりに束縛しすぎている。

「あの……大丈夫!私一人で!気持ちだけ受け取るね!!」
「でもお前…」
「リヴァイに甘えてばかりじゃダメだもの!」

そう言うと再び荷物を詰め始め、そうか、と言うリヴァイの寂しげな返事が聞こえた。

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