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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第40章 #40 エレンの変化



勲章授与式から数日後、コンコンとドアを叩く音にエレンは寝ていたベッドから起き上がりゆっくりとドアを開けた。
目の前に立っていたのは兵舎にいる筈のないリリアだった。


「へ…?」
「エレン、こんにちは!」
「リリア兵長?!どうしてここに…」
「今日はエレンに付き合ってほしくて!一緒にお出掛けしよ?」

リリアが何を言っているのか訳が分からず混乱するエレン、するとリリアはションボリとした顔で俯いた。

「私とお出掛けするの……嫌?」
「とんでもないです!!そうじゃなくて…」
「じゃあ行こう?!」
「わ、分かりました!行きます、行きますから!!ちょっと待って…準備します!」


調整日でもないのに出掛けても良いのだろうか、しかしそんな心配をする猶予もリリアは与えてくれない。
もうなるようになれ、とエレンは諦めた。

外は晴れ、リリアは市場へ向かうと言う。病院から兵舎まで距離があるが歩いてきたのだろうか。


「リリア兵長、病院から歩いてきたんですか?」
「そうだよ!」
「よくリヴァイ兵長が許しましたね…」
「リヴァイがお手洗い行ってる隙を見て抜け出してきたの」

エレンの顔が引き攣る。
それはとても、とてもまずい事なのでは。

「あの……それは大丈夫ですか…」
「平気だよー!ちゃんと置き手紙してきたし!」
「そうなんですか……なんて書いてきたんです?」




【探さないでください】



そんな置き手紙を見ながらリヴァイは震えていた。


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