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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第38章 #38 伝えたかった事



「授与式緊張してる?」
「別に」
「間違わないようにね?」
「そんな難しい事しねぇだろ」
「口付けは手の甲だよ?他はダメだよ?」
「するかよ」

すると鏡に映ったリリアの表情を見てリヴァイが目を丸くした。
とてつもなく不機嫌だ。

「お前なんてツラしてやがる」
「だって……私よりも先に女の人にキスするんだーと思って」
「……キスのうちに入らねぇだろ…なんだお前、妬いてんのか」
「はぁ?違うし…。別にリヴァイが誰とキスしようと何とも思わないし!」


リヴァイは苦笑いをするとリリアの座っている椅子を引き、彼女の前に膝を付いて右手を取った。
驚きリリアが肩を上げる。

「じゃあリリアに先にしたらいいか?」
「え…」

リヴァイはゆっくりとリリアの手の甲に口付けた。
そのまま顔を見つめられ、リリアの顔が真っ赤に染まる。
すると唇を手の甲から指先に移動させクルリと掌を返して再び口付けした。


「そんな事言われたら期待するだろ?」
「な、何が…?」
「お前も……俺の事好きなんじゃねぇのかって」
「……違うもん。リヴァイの事は……その……えっと…」

ふっと笑いリヴァイは立ち上がった。

「準備完了だ。メシ食ったら行くぞ」
「あ、うん…」



あぁ…
どうして素直に言えないんだろう
好きだよ、と一言



リリアは口付けされた手の甲を見つめた。
とても、とても熱を帯びている、そんな気がした。


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